【血圧の新常識】「毎日同じ時間に寝る」だけで血圧が下がる?最新研究が教える、薬に頼らない最強の習慣|しきファミリークリニック|岡崎市柱曙の内科・循環器内科

愛知県岡崎市柱曙1-10-15

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【血圧の新常識】「毎日同じ時間に寝る」だけで血圧が下がる?最新研究が教える、薬に頼らない最強の習慣




しきファミリークリニック院長の志貴祐一郎です🫀
 

「毎晩同じ時間に寝るだけで血圧が下がる」という最新研究をご存知ですか?
高血圧は塩分だけでなく「睡眠のバラつき」が原因かも。
薬に頼りたくない方必見!!
ただし、この研究には注意点もあるのでそれらを含め分かりやすく解説します。

 
 

はじめに:その高血圧、「時差ボケ」が原因かもしれません
 

「血圧を下げるには、どうしたらいいですか?」 診察室でそう聞かれたら、皆さんは何を思い浮かべますか?

「塩分を控える」「運動をする」「お酒を減らす」……。 どれも正解です。でも、どれも続けるのはちょっと大変ですよね。

 今回は、もっと簡単で、お金もかからず、しかも気持ちよく実践できる「新しい血圧の下げ方」をご紹介します。
 

それはズバリ、毎日、同じ時間に布団に入ること
 

「えっ、それだけ?」と思われるかもしれません。しかし、これは単なる精神論ではなく、医学的な研究で可能性が示された方法なのです。
その内容を解説していきます👍
 
 

1. 最新の研究が証明!「寝る時間を揃える」パワー

今回ご紹介するのは、『Bedtime regularization as a potential adjunct therapy for hypertension: a proof-of-concept study』というタイトルの論文です。

日本語に訳すと、「寝る時間を一定にすることは、高血圧の補助的な治療法になり得るか?」という意味になります。
これまで、健康的な睡眠といえば「7時間以上寝ること」など、時間(量)ばかりが注目されがちでした。
もちろん睡眠不足は高血圧の大敵
ですが、この研究では「規則性(タイミング)」にスポットライトを当てています。  
 

結果:血圧が「5mmHg」も下がった!
 

この研究では、寝る時間がバラバラな人たちに指導を行い、できるだけ毎日同じ時間に寝てもらうようにしました。すると、驚くべき結果が出ました。

寝る時間が整ったグループは、そうでないグループに比べて、上の血圧(収縮期血圧)が平均して約5mmHgも下がったのです。

「たったの5?」とガッカリしないでくださいね。高血圧の治療において、この「マイナス5」はものすごい数字です。
 

  • 一生懸命、減塩料理を続けてやっと下がる数値

  • 毎日ウォーキングを頑張って得られる数値

  • 場合によっては、「血圧のお薬1錠分」に匹敵する効果

 
これらが、ただ「寝る時間を揃えるだけ」で得られるかもしれないのです。これは試さない手はありませんよね。
 
 

 
 

2.『重要』この研究の限界と正直な話・・・

まず先にきちんとこの研究のマイナスポイントについてもお話しておかなければなりません。
「これさえやれば絶対に治る!」という魔法のような話ではないからです。
 

① 対象人数がとても少ない

実はこの研究、参加したのはたったの11人😒です。 大規模の調査ではなく、あくまで「少人数で詳しく調べたら、こういう良い傾向が出たよ」という段階のものです。
 

② 期間が短い

実験を行った期間は2週間です。 「1年、2年と続けた時にどうなるか」「やめたらすぐ戻るのか」といった長期的な効果は、まだ証明されていません。
 

③ 全員に効くわけではない

参加者のうち、血圧がハッキリと下がったのは約半数でした。 つまり、「劇的に効く人もいれば、あまり変わらない人もいる」ということです。 
 

「じゃあ、意味がないの?」 いいえ、そんなことはありません。 この研究が重要なのは、「薬を使わなくても、生活リズムだけで血圧は変わる」という事実を証明した点にあります。 副作用の心配がなく、お金もかからない方法ですから、「まずは2週間、自分で実験してみる」価値は十分にあると私は考えています。
 

 

3. なぜ「寝る時間がバラバラ」だと血圧が上がるの?

では、なぜ寝る時間が不規則だと血圧が上がってしまうのでしょうか? キーワードは「ソーシャル・ジェットラグ(社会的時差ボケ)」です。
 

体の中が「海外旅行」状態に?
 

私たちの体には「体内時計」というものがあり、朝起きて夜寝るというリズムを刻んでいます。

例えば、
 

  • 平日は夜11時に寝て、朝6時に起きる。

  • 金曜と土曜は夜更かしして深夜2時に寝て、朝10時まで寝ている。

 
学生さんや働き盛りの方によくあるパターンですが、これをやると体はどうなるでしょうか? 体にとっては、「毎週末、日本とハワイを往復している」のと同じくらいの負担がかかります。これが「ソーシャル・ジェットラグ」です。
 

自律神経がパニックを起こす

 
体は「今は昼なの?夜なの?」と混乱し、自律神経(体のアクセルとブレーキ)のバランスが崩れます。 すると、本来なら夜にリラックスして下がるはずの血圧が、下がらないままになってしまいます。血管はずっと張り詰めた状態になり、やがて動脈硬化が進んでしまうのです。
 
 

 
 

4. 【年代別】ここをチェック!あなたの睡眠リスク

当院は小さなお子様から100歳近い方まで通われるクリニックです。世代によって「不規則睡眠」の原因は違います。ご自身の年代をチェックしてみてください。 
 

【中学生・高校生の皆さんへ】

「若いから血圧なんて関係ない」と思っていませんか? 実は今、夜更かしによる「子供の高血圧」や「隠れ不調」が増えています。
 

  • スマホのブルーライト: 寝る直前までスマホを見ていると、脳が「今は昼だ!」と勘違いして、眠りのホルモンが出なくなります。

  • 将来のリスク: 10代で睡眠リズムが崩れていると、将来、高血圧や糖尿病になるリスクが跳ね上がります。

  • メリットだらけ: 決まった時間に寝ると、成長ホルモンがしっかり出て、「身長が伸びる」「肌がきれいになる」「勉強の集中力が上がる」など、いいことばかりです。テスト勉強も、夜更かしより朝型の方が効率が良いですよ。 
     

【働き盛りの方へ】

「休日の寝だめ」は要注意です。 平日の睡眠不足を土日で解消しようとしてお昼近くまで寝ていると、日曜の夜に眠れなくなり、月曜の朝が辛くなります。 休日の朝寝坊は、「いつもの起床時間+2時間」までに留めましょう。それ以上眠い時は、午後3時までに15分〜20分の昼寝をするのがおすすめです。 
 

【高齢者の皆様へ】

「早く目が覚めてしまうから、早く寝る」という方が多いですが、これが逆効果になることがあります。 例えば、夜8時に布団に入ると、どれだけ長く寝ても朝の3時や4時には目が覚めてしまいますよね。これを「不眠だ」と勘違いして悩む方が多いのです。 人間の睡眠時間は、年齢とともに短くなります。無理に長く布団の中にいると、睡眠が浅くなり、夜中に何度も起きて血圧が上がってしまいます。 「眠くなってから布団に入る」。これを意識して、就寝時間を少し後ろにズラして一定にすることがコツです。
 
 

5. 今日からできる!「5mmHg下げる」ための3つの作戦

論文の研究でも実践されたような、「規則正しい睡眠」を手に入れるための具体的なテクニックをご紹介します。 
 

① 「おやすみアラーム」をかけよう

朝起きるための目覚ましはかけるのに、寝るための合図はない人がほとんどです。 「23時に寝る」と決めたら、22時30分にアラームをかけてみましょう。 それが鳴ったら、「スマホを置く」「歯を磨く」「パジャマに着替える」という『寝る準備』を始める合図にします。 
 

② 朝の光を「15秒」浴びる

夜眠くなる時間は、実は「朝起きた時間」で決まります。 朝、カーテンを開けて太陽の光を目に入れると、体内時計のスイッチがリセットされます。そこから約15〜16時間後に、自然と眠くなるようにタイマーがセットされるのです。 曇りや雨の日でも、窓際に行くだけで十分効果がありますよ。 
 

③ 寝る90分前にお風呂に入る

人間は、体の中心の温度(深部体温)が下がるときに、急激に眠気を感じます。 寝る90分くらい前に、40℃くらいのお湯にゆっくり浸かると、お風呂上がりから寝る時間にかけて体温がスーッと下がり、気絶するように(ぐっすりと)眠ることができます。
 
 

まとめ:完璧じゃなくていい、まずは「意識」することから

『Bedtime regularization…』という難しいタイトルの論文が教えてくれたのは、「規則正しい生活こそが、最高の治療である」というシンプルで力強い真実でした。

今回の研究は、たった11人のデータかもしれません。 しかし、「不規則な生活が体に悪い」というのは、皆さんも肌感覚で分かっていることではないでしょうか。

血圧のお薬を飲んでいる方も、まだ様子を見ている方も、まずは「2週間だけ」、寝る時間を揃えるチャレンジをしてみませんか? もしそれで体調が良くなれば儲けものですし、ダメならまた別の方法を考えればいいのです。

「やってみたけど、どうしても眠れない」 「いびきがひどいと言われる」 そんな時は、睡眠時無呼吸症候群(SAS)などの病気が隠れているかもしれません。 一人で悩まず、しきファミリークリニックにご相談ください。 高血圧の治療だけでなく、睡眠や生活のリズムを整えるお手伝いもさせていただきます。
 
 

記事を書いた人
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院長:循環器内科専門医、不整脈専門医
志貴 祐一郎

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