足がむくむんですけど・・・ ~原因や対処法~|しきファミリークリニック|岡崎市柱曙の内科・循環器内科

愛知県岡崎市柱曙1-10-15

トピックス TOPICS

※小児予防接種・乳児健診のご予約はお電話のみとなります

足がむくむんですけど・・・ ~原因や対処法~

しきファミリークリニック院長 志貴祐一郎です🫀

 

足のむくみは女性を中心に非常によく相談を受ける症状です。

立ち仕事が長かった時や夕方にかけてむくんできた経験はありませんか?これは循環が悪くなっていたからで病気ではありません。

しかし、足のむくみには様々な原因があり、心臓や腎臓に病気が隠れているなんてことも・・・。

 

今回は多くの人が経験する足のむくみについて、その原因や対処法について解説したいと思います。




人間の身体は、心臓から血液が送り出されることで酸素や栄養分を全身に運びます。運ぶと同時に二酸化炭素や老廃物を回収して心臓まで戻ってきます。足先まで流れた血液は重力に逆らって心臓まで戻って来なくてはなりません。血液を戻すためのポンプがふくらはぎの筋肉です。ふくらはぎの筋肉を使うことで血液を心臓へ戻します。

送り出すポンプ(心臓)、血液が流れる回路(血管)、流れる水分の調整(肝臓・腎臓など)、戻すポンプ(ふくらはぎ)などがうまくいかなくなったときにむくみます。


 

 
 

むくみの原因は多岐にわたります。一時的なものと慢性的なものがあります。

👉一時的なむくみ

病気ではないものは生活習慣に原因があります。

仕事の環境や運動習慣、食生活、ストレスなどです。

 

◆座りっぱなし、立ちっぱなし

立ち仕事やデスクワークなど長時間同じ姿勢でいることで、ふくらはぎの動きが少なくなります。筋肉のポンプ機能がうまく働かなくなってしまい、その結果足がうっ滞してむくみます。

 

◆運動不足

運動不足でふくらはぎの筋肉が衰えるとポンプの機能が低下し、心臓へ送り戻せなくなりむくみます。

 

◆食生活

塩分には水分を取り込む性質があります。塩分の多い食事の摂取により体液量が増加しうっ滞しむくみます。ミネラルの不足やアルコール多飲、極端なダイエットなどもむくみの原因となります。

 

◆自律神経の異常

ストレスやエアコン環境下での体温調整不足などで自律神経の働きが低下し、代謝低下によりむくみます。

 

◆女性

そもそも女性は男性に比べ筋肉量が少なく、また妊娠・生理などホルモンの影響でむくみやすいです。

 

👉慢性的なむくみ

一時的ではなく数日続くむくみ、足だけのむくみではない、息切れなどもある。こんな時は病気が隠れていこともあります。

全身性のものと局所的なものとがあります。

 

≪全身性のむくみ≫

◆心不全

心臓に何らかの異常を来たし、全身に血液を送るポンプとしての機能が落ちてしまうことで余分な水分がたまってしまいます。

その水分が血管の外に染み出すことでむくみを来たします。息切れなどの症状を伴うこともあります。胸部レントゲンや心臓超音波検査、血液検査(BNP)などで診断します。

 

◆腎不全

腎臓の働きが低下して余分な水分や塩分を排泄できなくなり、たまってしまうことでむくみます。また、腎臓の病気の中には尿中へ大量のタンパクが出てしまい、これもむくみの原因になります。尿検査や血液検査で診断します。

 

◆薬剤

薬剤の中には副作用としてむくみが出るものもあります。

高血圧治療薬(カルシウム拮抗薬)、糖尿病治療薬(ピオグリタゾン)、副腎皮質ステロイド、非ステロイド抗炎症薬などがあります。症状の改善には薬剤中止が必要になることもありますが、自己判断での中止は危険なこともあります。

 

◆その他内科的疾患

肝不全、甲状腺機能低下、副腎皮質ホルモンの異常、アレルギー疾患などでもむくむことがあります。

 

 

≪局所のむくみ≫

◆下肢静脈瘤

足の静脈がこぶのように膨らむ病気です。立ち仕事の多い方などは静脈の弁に負荷がかかり壊れてしまうことで血液が逆流してしまいます。足がだるい、重いなどの症状を自覚することもあります。

 

◆深部静脈血栓症

足の静脈が血栓でつまってしまう病気です。病気やけがで長時間寝ていたり、長時間のフライトで同じ姿勢でいたりすることで血栓ができてしまいます。血栓が肺まで飛んでいき肺の血管に詰まってしまうことで命にかかわることもあります。

 

◆その他の疾患

リンパ浮腫と言われる液の流れが悪くなることで起きるむくみや感染症で起きるむくみもあります。

 

 

 
対処法は原因によって異なります。

むくみだけでなく、息切れや食べ過ぎなど思い当たる節のない体重増加、尿量の減少などがある場合は病気が隠れていることもあるのでご自分の判断で対処せず、ぜひご相談ください。

 

◆水分・塩分

むくみの主成分である水・ナトリウムをためないよう、食生活における水分や塩分の過剰摂取を避けることが大前提です。

普段味の濃いものが多いと感じる方は少し気を付けてみてください。ただし、過度な水分制限はかえって水分貯留を招いたり、脱水のリスクもあるので注意が必要です。

 

◆運動をする

ウォーキングなどで足の筋肉を使ってあげることで、ポンプ機能を働かせてあげましょう。階段を使う、早足で歩くなども有効です。

足腰が悪くあまり歩けない方は、座った姿勢でかかとをあげる運動もおすすめです。

 

◆足をあげて寝る

重力の影響でどうしても足はむくみがちです。足の下に布団などを敷いて少し足をあげることで重力を逆手にとりましょう

 

◆マッサージをする

足首から膝の方へ少し力を入れて擦ります。血液やリンパ液を戻してあげましょう。膝裏も忘れずに。

 

◆体を冷やさない

身体が冷えると、血行が悪くなりむくみの原因になります。これからの時期、エアコンを使用することが多くなると思いますが、エアコンの冷風は部屋の下にたまりますので思った以上に足の冷えに繋がります。

 

◆弾性ストッキングの着用

ふくらはぎや足首を圧迫することで、足にたまりがちな血液やリンパ液を戻してくれます。

 

 



足のむくみは、日常生活や健康上に影響を与える可能性はあります。生活習慣の改善によってむくみを軽減することができます。しかし、怖い病気が隠れていることもありますので改善が乏しい場合や長く続く場合は是非ご相談ください。

 


しきファミリークリニック
院長 志貴祐一郎