薬の自己中断はキケン・・・❌|しきファミリークリニック|岡崎市柱曙の内科・循環器内科

愛知県岡崎市柱曙1-10-15

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薬の自己中断はキケン・・・❌

しきファミリークリニック 院長 志貴祐一郎です🫀
 
 

6月から国の方針で生活習慣病に対する対応が変わり、当院でも『高血圧』『脂質異常症』『糖尿病』の患者さんに対して食生活や運動習慣についてアドバイスをさせていただいております。書面を用いた指導であり、今までの診察よりも時間がかかるためご迷惑をお掛けしておりますが、ご理解いただけますと幸いです🧑‍⚕️

 
 

さて、ライフスタイルの改善は、こちらから提案させていただいた内容を元に皆さんに頑張って実践していただかなければならないことではあるのですが、もう1つ大事なことがあります。それは、『内服の厳守』です。

 
 
 

出された薬はちゃんと飲んでいますよ!

そのような方が大半ではあるのですが、中には自己判断でやめてしまう方もいらっしゃいます。いろいろな理由で自己中断をされるのですが、最も多い理由が『数値が安定したから治った』です。

特に上記の3疾患は普段の自覚症状はほとんどなく、病院での管理も数値を見ながら行っています。そのため、内服を開始して血圧が下がってきた、コレステロール値が正常値になった、HbA1cが正常値になった、などから治ったと勘違いをして自己判断で服用を中止してしまいます。それが体にとっていかに良くないことなのかを解説したいと思います。

 
 

飲むのをやめると上がる

これらの治療薬は、メガネのようなものと考えてください。

メガネをかけると、今まで見えなかったものが見えるようになります。しかし、メガネを外すと・・・。見えなくなりますよね?

同じです。服用している間は、血圧の上昇を抑え、コレステロールを下げ、血糖のコントロールをしてくれます。飲むのをやめると、それらの効果がなくなるので当然上がります。
上がります↗↗。
 

自己中断したことがある方は経験があるかもしれませんが、やめて数日は血圧も上がることはなく、『やっぱりやめても大丈夫じゃん!治ったわ!』と思ったことはありませんか?でも、その後じわじわ上がってきたはずです。薬の種類にもよりますが、しばらくは体内に効果が残存しています。なので、やめた直後は上がらないだけなのです。
 

私の外来では診察室で血圧測定をさせていただいていますので、こそっと中断していてもばれますよ(笑)。血圧については、自宅でも測定できますし、簡単に数値を診ることができますが、コレステロールや血糖・HbA1cは血液検査をしないとわかりません。血液検査をする周期にもよりますが、薬は受けとっているけど飲んでいないのがしばらく続き、ひさしぶりに検査してみたら数値がえらいことになっているなんてこともあります。その間に血管の中は詰まりかけていたり、腎臓が取り返しのつかないことになっていて人工透析一歩手前だったり、失明直前なんてことも・・・。

振り出しに戻るだけでなくより悪い状態になってしまうこともあります。

 
 

最近の薬は一石二鳥いや一石三鳥以上のことも 
高血圧治療薬を例に挙げると、降圧剤は一般的に血圧を下げるために使用される薬剤ですが、近年の研究や治験により、単に血圧を下げるだけでなく様々な追加効果や健康上の利益が明らかにされています。 
 

・心保護効果

 血圧をコントロールして心臓の負担を取るのはもちろんですが、降圧剤の中には心筋梗塞や心不全などで起きた構造の変化を抑制したり、改善させたりして長期的には低下した心機能を回復してくれることもあります。

 

・腎保護効果

 高血圧の患者さんは腎障害を合併していることもしばしばあります。血圧が高ければ高いほど腎機能障害が進行すると言われており、逆に腎障害が強いほど血圧が高いこともしばしば経験します。

 慢性腎臓病を合併している高血圧患者さんに適切な降圧剤を選択することで、腎障害の進行を抑制し保護してくれます。

 

その他、血管保護や代謝改善など様々な効果を持つ薬があります。

 

 

生活習慣の改善で薬を減らせる可能性もある

心臓・腎臓のために内服している場合、単に数値(血圧・コレステロール・血糖)だけで減量や中止はしませんが、食事・運動・禁煙・減量(体重)・睡眠など見直すことで、将来的に減らしたり中止したりできる可能性はあります。

当院では、患者さん個々に合わせた指導を行う事で怖い病気の予防や内服の減量ができるようサポートしています。

 

 

最後に

薬は処方された通りに飲みましょう。

自己判断でやめてしまうと、元の状態に戻ったりもっと悪くなったりします。

日によって飲んだり飲まなかったり、量を自己調節したりするとかえって怖い疾患につながることもあります。そのため、今中断してしまっている方も、自己判断で再開せず、一度受診をご検討ください。できれば薬なんて飲みたくないと思っている方がほとんどだと思います。適切な量・タイミングで開始するためにも一緒に生活習慣を見直しながら向き合っていきましょう👍
気になることは何でもお気軽にご相談ください。
 
 
院長:循環器内科専門医
志貴 祐一郎

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