肥満症は生活習慣で改善できる?食事と運動の本当の話(2回/全3回)|しきファミリークリニック|岡崎市柱曙の内科・循環器内科

愛知県岡崎市柱曙1-10-15

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肥満症は生活習慣で改善できる?食事と運動の本当の話(2回/全3回)

しきファミリークリニック院長の志貴祐一郎です🫀
 

肥満症第2回からは治療についてです。 
 

肥満症の治療において、もっとも基本となるのは生活習慣の改善です。
特に「食事療法」と「運動療法」は、薬に頼る前にまず取り組むべき土台となる方法です。
今回は、具体的な方法とともに、無理なく取り組める工夫をご紹介します。
 
 


■ まずは食事療法から

肥満症の食事療法の基本は「摂取エネルギー < 消費エネルギー」。
とはいえ、極端な糖質制限や、過度な絶食は一時的な減量になっても長続きせず、リバウンドの原因になります。
大切なのは「日々の食習慣を少しずつ見直すこと」です。 
 

● カロリーだけでなく“質”にも注目

食事療法では、以下のような工夫が効果的です。

  • 糖質(特に甘い飲み物や菓子類)を控える
  • 野菜をしっかり摂る(1日350g以上が目標)
  • たんぱく質は肉・魚・豆などバランスよく
  • 脂質は揚げ物を控え、植物油や青魚を活用 
  • 食べるスピードはゆっくり、よく噛んで(20分以上かけて)
  • 主菜(おかず)は「蒸す・煮る・焼く」が基本、揚げ物は週1回程度
  • 間食は1日1回、果物やナッツ類などヘルシーな選択を
  • 夜9時以降の食事は控える(夜間はエネルギー消費が少ないため)
 
また、日本肥満学会のガイドラインでは、1日あたり500~700kcalの摂取制限が推奨されています。
これは月に約2〜3kg、年間では10kg以上の減量につながる可能性があります。



   

■ 次に運動療法 ~無理なく体を動かす~
食事療法と並んで重要なのが運動療法です。
とくに「有酸素運動」は体脂肪を燃やすのに効果的とされています。 
 
● 有酸素運動の例
  • ウォーキング(1日30分以上、週3〜5日)
  • 自転車こぎ、ジョギング、水泳などもOK
  • 階段を使う・1駅歩くなどの「生活の中の工夫」も大切 

運動は、継続が最も大切です。最初から激しい運動をする必要はなく、1日10分の散歩からでもかまいません。
体を動かす習慣が、代謝の改善やストレス解消にもつながります。
 
 

■ 継続できる工夫がカギです
生活習慣を変えるには、ストレスを感じずに**「続けられる方法を見つけること」**がポイントです。
無理をしすぎず、「少しずつでも変化が出てくると嬉しい」と思えるようなペースで取り組んでいきましょう。
 
 

■ それでも難しい方には次のステップがある
「生活を変えようとしても、どうしても体重が減らない」
「膝や腰が痛くて運動ができない」
そんな方もいらっしゃいます。 
次回の記事では、**医学的に注目を集めている新しい治療法「薬物療法」**についてご紹介します。
中でも話題の「ウゴービ」という薬について、効果やリスクも含めて詳しく解説していきます。
 

記事を書いた人
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院長:循環器内科専門医
志貴 祐一郎

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