❝ 熱中症 ❞ しきクリペディア@病気・症状のやさしい解説|しきファミリークリニック|岡崎市柱曙の内科・循環器内科

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❝ 熱中症 ❞ しきクリペディア@病気・症状のやさしい解説


 

熱中症にご用心

~症状・応急処置・救急車を呼ぶ目安~


「暑い場所にいたあと、頭が痛くなった」
「子どもの顔が赤く、急に元気がなくなった」
「高齢の家族が、なんとなくだるそうにしている」


このようなときは、熱中症の可能性があります。

熱中症は、炎天下で運動したときだけに起こるものではありません。気温や湿度が高ければ、室内や夜間、曇りの日でも起こります。特にお子さまやご高齢の方は、自分で不調に気づいたり、周囲に伝えたりするのが遅れることがあります。

呼びかけへの反応がおかしい、自力で水分を飲めない、けいれんしている場合は、ためらわず119番してください。救急車を待つ間も、涼しい場所へ移して体を冷やし始めることが大切です。

 
この記事では、熱中症の症状、家庭でできる応急処置、医療機関を受診する目安、予防のポイントを分かりやすく解説します。
 
 

 

 

熱中症とは?


熱中症とは、暑さによって体温調節がうまく働かなくなり、体内に熱がこもったり、水分や塩分のバランスが崩れたりして起こる体調不良の総称です。

私たちの体は、汗をかき、皮膚の血流を増やして熱を外へ逃がすことで体温を調節しています。しかし、次のような環境では、体から熱を逃がしにくくなります。
 

  • 気温が高い

  • 湿度が高い

  • 風が弱い

  • 日差しや地面からの照り返しが強い

  • 急に暑くなり、体が暑さに慣れていない

 
熱中症では「体に熱がこもること」と「脱水」が重なって進行します。ただし、脱水症と熱中症は同じものではありません。脱水が目立たなくても、強い暑さによって重い熱中症になることがあります。

また、熱中症でも汗をかいていることがあります。汗が出ているから大丈夫とは判断できません。脇の下で測る体温がそれほど高くなくても、熱中症を否定することはできません。
 

 

どのような人が熱中症になりやすい?
 

お子さま

お子さまは体温調節機能が発達の途中にあり、大人より脱水になりやすい傾向があります。身長が低いため、地面からの照り返しの影響も強く受けます。

遊びや運動に夢中になり、自分から「のどが渇いた」「休みたい」と言えないこともあります。顔が赤い、急に無口になる、機嫌が悪い、動きが鈍い、ぐったりしているといった変化を、周囲の大人が見つけてあげることが大切です。

ベビーカーの中や自動車内も短時間で高温になります。わずかな時間でも、車内にお子さまを残してはいけません。
 

ご高齢の方

ご高齢の方は、暑さやのどの渇きを感じにくくなり、汗をかく力や体温を調節する力も低下します。本人が「暑くない」「大丈夫」と話していても、室温を確認し、周囲が水分摂取やエアコンの使用を促すことが重要です。

特に、一人暮らし、要介護、認知症のある方、心臓病・腎臓病・糖尿病などの持病がある方は注意が必要です。降圧薬、利尿薬、向精神薬など、熱中症や脱水のリスクに関係する可能性がある薬もありますが、自己判断で薬を中止せず、心配な場合は主治医に相談してください。
 
 

 

年齢にかかわらず注意が必要な場合

  • 発熱、下痢、嘔吐、食欲低下などで体調を崩している

  • 睡眠不足、二日酔い、疲労がある

  • 暑さに慣れていない時期に、急に運動や作業をする

  • 長時間の屋外作業や激しい運動をする

  • 水分をとりにくい、または水分制限がある

  • エアコンを使っていない、または使えない




熱中症の主な症状


熱中症の症状は、軽いものから命に関わるものまで連続して変化します。最初は軽く見えても、短時間で悪化することがあります。

比較的軽い症状 

  • めまい、立ちくらみ

  • 一時的に気が遠くなる

  • 筋肉痛、こむら返り

  • 手足のしびれ

  • 汗が止まらない

  • 気分が悪い、ぼんやりする

 
医療機関への受診を考える症状

  • 頭痛

  • 吐き気、嘔吐

  • 強いだるさ

  • 体に力が入らない

  • 判断力や集中力の低下

  • 涼しい場所で休み、体を冷やして水分を補給しても改善しない


119番が必要な危険な症状

  • 呼びかけへの反応がおかしい、会話がかみ合わない

  • 意識がもうろうとしている、意識がない

  • けいれんしている

  • まっすぐ歩けない、立てない

  • 自力で水分を飲めない

  • 繰り返し吐いて水分を保てない

  • 体が明らかに熱く、急速に状態が悪化している


危険な症状があるときは、体温計の数字や汗の有無を確認するために救急要請を遅らせないでください。
 

 

熱中症を疑ったときの応急処置
 

1.涼しい場所へ移す

まず、エアコンの効いた室内や、風通しのよい日陰へ移動します。自力で歩かせることが危険な場合は、無理に移動させず周囲に助けを求めてください。

2.衣服をゆるめ、すぐに体を冷やす

ベルトや襟元をゆるめ、可能であれば余分な衣服を脱がせます。次のような方法で、救急車を待つ間も冷却を続けます。

  • 皮膚を水でぬらし、うちわや扇風機で風を当てる

  • 冷たいぬれタオルを体に当てる

  • 氷のうや保冷剤を、首の両側、脇の下、太ももの付け根に当てる

  • 冷たい水に手足をつける


重い熱中症では、一刻も早く高体温の状態から抜け出すことが重要です。救急車の到着を待ってからではなく、現場ですぐに冷やし始めてください。
 

3.意識がはっきりしていれば水分を補給する

受け答えが普段どおりで、むせずに自分で飲める場合は、冷たい水分を少しずつ飲んでもらいます。大量に汗をかいた場合や、脱水が疑われる場合は、経口補水液が適しています。

意識がはっきりしない、呼びかけへの反応がおかしい、むせる、吐いている場合は、誤嚥の危険があるため無理に飲ませないでください。

経口補水液は、脱水時の水分・電解質補給に用いる飲み物です。普段の水分補給として常に飲み続けるものではありません。心臓病や腎臓病などで水分・塩分制限を受けている方は、日頃の補給方法を主治医に確認しておきましょう。

4.一人にせず、改善するか見守る

症状が改善するまで一人にしないでください。休憩、冷却、水分補給をしても改善しない場合や、いったん良くなっても再び悪化する場合は、医療機関を受診してください。
 
 

 

 

熱中症のとき、解熱剤を飲んでもよい?

 
熱中症による高体温は、かぜやインフルエンザなどの「発熱」と仕組みが異なります。そのため、アセトアミノフェンやNSAIDsなどの解熱薬で体温を下げようとすることは勧められていません。

脱水している状態では、薬によって腎臓や肝臓への負担が増す可能性もあります。熱中症を疑うときに必要なのは、まず涼しい環境への移動、体の冷却、状態に応じた水分・電解質の補給です。
 

 

熱中症を防ぐ6つのポイント


1.暑さ指数(WBGT)を確認する

熱中症の危険度は気温だけでは決まりません。湿度、日差し、風なども含めた「暑さ指数(WBGT)」を確認しましょう。熱中症警戒アラートが発表された日は、不要不急の外出や屋外での運動を控え、涼しい環境で過ごしてください。

2.室内ではエアコンを適切に使う

室内や夜間でも熱中症は起こります。室温と湿度を確認し、我慢せずエアコンや扇風機を使いましょう。設定温度ではなく、実際の室温や本人の体調を見ながら調整することが大切です。

3.のどが渇く前に水分をとる

外出前、運動前、入浴前、就寝前など、時間を決めてこまめに水分をとりましょう。大量に汗をかく運動や作業では、水分とともに適度な塩分補給も必要です。

通常の生活で食事がとれている場合、塩分を必要以上に追加する必要はありません。塩あめだけで熱中症を予防することもできないため、水分補給と暑さを避ける対策を一緒に行いましょう。

4.暑い時間帯を避け、こまめに休む

外出、運動、庭仕事などは、できるだけ暑い時間帯を避けます。日陰や冷房のある場所で休憩し、「もう少し頑張れる」と感じる段階で早めに休みましょう。

5.服装と冷却グッズを工夫する

通気性、吸湿性、速乾性のよい衣服を選び、外出時は帽子や日傘を使用します。冷たいタオル、保冷剤、携帯用扇風機なども、ほかの対策と組み合わせて活用しましょう。

6.少しずつ暑さに体を慣らす

暑くなり始めた時期や、しばらく運動を休んだあとは特に注意が必要です。無理のない範囲で軽く汗をかく運動から始め、数日から2週間ほどかけて徐々に暑さに慣らしていきましょう。体調が悪い日は無理をしないことが大前提です。

 

 

クリニックではどのような診察・治療をする?


医療機関では、暑い環境にいた時間、症状の経過、水分摂取量、持病、内服薬などを確認し、意識状態、体温、血圧、脈拍、呼吸状態、脱水の程度などを評価します。

必要に応じて、血液検査や尿検査で、ナトリウムなどの電解質、腎臓・肝臓への影響、筋肉の障害などを確認します。軽症では涼しい環境での休息、冷却、経口での水分・電解質補給が中心です。飲水が難しい場合や脱水が強い場合は点滴を行うことがあります。

ただし、点滴だけで重い熱中症が治るわけではありません。意識障害、高体温、臓器障害が疑われる場合には、速やかな全身冷却や入院治療ができる医療機関へ搬送します。

頭痛、発熱、吐き気、意識の変化などは、感染症、低血糖、脳や心臓の病気などでも起こります。「暑い日だから熱中症」と決めつけず、症状や経過に応じてほかの病気も確認することが大切です。

 

まとめ


熱中症は、屋外だけでなく、室内や夜間にも起こります。お子さまやご高齢の方は症状を自分で伝えにくいため、周囲の見守りが欠かせません。

熱中症を疑ったら、まず涼しい場所へ移し、衣服をゆるめて体を冷やします。意識がはっきりしていて自力で飲める場合のみ、水分を補給してください。

呼びかけへの反応がおかしい、自力で飲めない、けいれんしている、立てない場合は119番です。救急車を待つ間も、できる範囲で冷却を続けましょう。

「熱中症かどうか分からない」「休んでも頭痛やだるさが残っている」など、判断に迷う場合は早めに医療機関へご相談ください。
 

 


 
 

医療情報について

本記事は一般的な医療情報の提供を目的としており、個々の患者さんの診断や治療に代わるものではありません。症状や経過には個人差があります。実際の対応については、医療機関で医師の診察を受けてください。
 
 

参考資料

  • 日本救急医学会「熱中症診療ガイドライン2024」

  • 日本救急医学会「Active Cooling 実践的手引き」2026年

  • 環境省「熱中症環境保健マニュアル ~総論~(2025年7月版)」

  • 環境省「熱中症予防情報サイト」

  • 厚生労働省「熱中症を防ぎましょう」

  • 消費者庁「経口補水液について」

 



記事を書いた人
↓↓↓
院長:循環器内科専門医、不整脈専門医
志貴 祐一郎

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